ジュースとイーストを使って簡単蒸留酒づくり



ワインから造られる蒸留酒

 

 

前項でワイン(のようなもの)の作り方を簡単にお話しましたが、ブランデーはこのワインから造られる蒸留酒なのです。ブランデー造りをするには、糖分が少ない、酸味の強いブドウが使われます。こうしたブドウからはアルコール度数が低い、酸っぱいワインができるわけですが、これを蒸留させることによって香の高い蒸留酒になるのです。

 

こうしたブランデー用のブドウはその産地により違ってきます。つまり、各ブランデーの個性は原料のブドウによって決まってくるのです。醗酵させる際に使われる酵母の種類、醗酵後の下に溜まったオリ(沈殿物)を取り除くかどうかでも、ブランデーの味わいを左右します。更には、オリや絞り粕、干し葡萄からでも造ることができます。

 

単式の蒸留法では、玉ねぎ型の蒸留器(最上部が膨らんだアランビックと呼ばれるもの)が使われます。有名なのは、コニャック造りに使用されているシャラント・ポット・スチルです。窯の中で過熱され、蒸気になったワインが、細く曲がりくねった管の中を通って、冷却器を通過します。その間に冷やされて無色透明のブランデーの原液ができるのです。

 

単式蒸留では蒸留を2回行いますが、それは香りがよくアルコール度数が高い原酒をつくるためです。こうした蒸留法で造られたブレンデーは良品で、香り、力強さ、コク、味わいのバランスが良くなります。

 

連続式蒸留法では、内部が数段の棚をもつ塔になっていますが、上部ほどアルコールの度数は高くなります。軽やか、フルーティーな飲みやすいブランデーになるのがこの蒸留法の特徴です。